大福のプレゼント

大福は、他科の医師から、漢方についてコンサルを受ける機会も多いので、なるべく西洋医学に即した、彼らが理解できる言語を用いて説明する癖をつけております。彼らとのコミュニケーションに中医学の言葉は一切用いません。「裏寒」「脾虚」「陰虚証」・・・忙しい彼らは私の前から去るでしょう。

●柴胡の説明。アレルギー科の先生へ。「11βHSD(ステロイドの代謝酵素)をブロックすることで、内因性ステロイドが長く効く、つまり、「ステロイド効果」を得ることができます。柴胡の入った漢方で慢性炎症がかなり良くなります。」

●黄芩の説明。消化器外科の先生へ。「主成分はバイカリン。腸内細菌のβグルクロニダーゼをブロックすることで、抗がん剤の脱抱合が抑制され、副作用である下痢を止めます」

相手が医師の場合、西洋医学の言葉を必ず使わないと、まず興味を引くことができません。

漢方を広めるために、最も有効な方法は、ほかの医師に漢方を理解してもらい、彼らの患者さんに処方してもらうことかなと思っています。病院によりますが、何百人もひと月に診察する人もザラです。では、その医師に漢方っていいもんなんだよ、ということを理解してもらうために、大福はいつも何をやっているか?

他科の医師から、実はこういう症状で自分が困っている・・・ということを耳にしたら、私は自分の手持ちの漢方薬を彼らにプレゼントします。ここがポイントで、とにかく忙しい彼らは、「これがお勧め」と言って情報を渡しても、飲んでくれないかもしれません。半強制的に無理やり渡します。

一発で効かなければ、リピート率はゼロ。一回勝負。とにかく考え抜いて、これぞ!!と思うものを「先生、これ、いいと思うんですが・・・」と遠慮がちに渡します。(本音は「つべこべ言わず飲め」)

私の自腹なので、皆さん、遠慮しつつも、はじめは、「飲まないと悪いから」の理由で飲んでくれます。結果は・・・皆、漢方の力を信じてくれるようになりました。

今まで、この方法で医師の中でも漢方ファンをたくさん作りました。大事な大福の仲間。私が本気に診療するので、医師の脱落率はゼロに近いです。治したい、という気持ちが、同様に治療者でもある彼らに伝わります。

このサイトを見てくださる方々へ。大福のプレゼント・・・このHPは私が自分の診療と経験から得たものから、論文で検証し成書をあたり、時間をかけて丁寧に書きました。色んな科の先生方や研修医の先生、もちろん、漢方を愛するすべての方々にお役に立てたら最高です。

外来の患者さんにオンライン診療のお話をしても、ほぼ全員に断られてしまいます。大福に会いに来てくれる、という言葉に泣けます。漢方への思いが、連綿と続いていくことを祈ります。

webでの情報発信については、まだこれからです。

もっとページを充実させていきます。次は咳漢方。一か月かかるかな。頑張ります。