適応

小青竜湯証
小青竜湯証
腹証奇覧を改変

むくみやすくて、手足も冷たい。普段からアレルギー性鼻炎で鼻水が多い。水分代謝の悪い人が、寒気を覚えて、くしゃみ鼻水、薄い痰、咳、発熱などの風邪症状が出た時によい。

処方解説

桂枝・麻黄の組み合わせは体を温め、発汗をうながします。乾姜・細辛・半夏・五味子はすべて、「温性の駆水剤」と言われ、体内の循環をよくして温めながら、水分の排出を促しむくみを取り除く作用があります。小青竜湯と同じ症状で、麻黄が胃にこたえるタイプや高血圧や前立腺肥大の持病のある方は、「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」をお勧めします。

脈診の項目参照

大福ギャラリー

小青竜湯の構成生薬、五味子のイラスト。甘い辛い苦いすっぱい塩辛い、5種類の味があるから五味子というらしいです。しかし、実際は「すっぱい」味がします。すっぱいと、体が「きゅっ」となるじゃないですか。だから、水毒傾向の人は水が血管外に漏出しているわけだが、これが「きゅっとなって」血管内に戻るイメージでしょうか。

アレルギー性鼻炎の薬としてあまりに有名すぎて、かなりご高齢の方や、虚弱体質の方も飲んでいることが良くあります。でも、やはり麻黄を含みますから、「心臓大丈夫?胃もたれない?それならば、苓甘姜味辛夏仁湯がいいよ」と声掛けすべきだと思っています。小青竜湯の裏処方、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)。エキス製剤にもあるし、もっと使われてもよいのではないでしょうか。副作用もほぼないし・・・私は、自分の臨床では、小青竜湯よりも処方回数の多い薬です。