私の処方例です。
加味帰脾湯(かみきひとう): 柴胡、山梔子を含みます。
コロナ後遺症重症の方は様子を見ながら飲んでください。
腹診で「胸脇苦満」を大福は確認しています。必須ではありません。
くよくよ悩んでしまい、胃が痛くなる方に最適。精神を鎮めるので、眠前に飲むと「ぐっすり眠れる」と言われることもあります。
柴胡と山梔子は、副作用も注意しますが、そもそも体を冷やす系統の生薬です。体が冷えた方にはお勧めできないので、ご注意願います。
柴朴湯(さいぼくとう): 柴胡、黄芩を含みます。
コロナ後遺症で重症の方はお控え下さい。
腹診で「胸脇苦満」を大福は確認しています。
柴朴湯は、小柴胡湯+半夏厚朴湯の組み合わせ漢方です。半夏厚朴湯は上記のとおり、鬱々とした人の「気」を巡らせる働きがあります。柴胡で自律神経系が整うので、ウツウツとしながら、どこか自律神経失調のかんじ(起立性調節障害や「寒熱」が交互に襲ってくる、動悸やめまい)がある人には、半夏厚朴湯よりも柴朴湯を処方しています。
柴胡という慢性炎症を抑える生薬と咳の生薬が入っているので、よく喘息の慢性コントロールに使われます。
喘息に限らず、体内に炎症を抱えていてそれによる症状が出ている(コロナ後遺症など)+鬱々とした心理の人でに処方しています。
大柴胡湯(だいさいことう): 柴胡、黄芩、大黄を含みます。
コロナ後遺症で重症の方はお控え下さい。
腹診で「胸脇苦満」を大福は確認しています。
大柴胡湯は、様々な作用があります。メンタルの使い方に話をしぼると、体格が頑丈な方の抑うつに用いられてきました。大黄が入っているので、便はゆるくなりやすいです。便秘傾向の方のストレスによるうつ病に大福はよく処方します。ときどき、数か月すると「疲れがとれて、集中できるようになった」など言われます。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう): 柴胡、黄芩を含みます。
コロナ後遺症で重症の方はお控え下さい。
腹診で「胸脇苦満」を大福は確認しています。
すごく疲労していたり、精神的に病んでいて、就眠中に悪夢を見てしまう方。この柴胡加竜骨牡蛎湯は、「悪夢」漢方として有名です。気持ちを静める効果もあります。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう): 柴胡、黄芩を含みます。
コロナ後遺症重症の方は様子を見ながら飲んでください。
腹診で「胸脇満微結(きょうきょうまんびけつ)」を大福は確認しています。
この処方も、鬱屈した気を巡らせる作用があります。
虚弱体質で、体力がなく、足が冷えるのに顔はほてる、汗かき、疲れやすい、なんだか口が渇く、こんな体質の人に使われます。気分の落ち込みやすい人に処方すると、「疲れが取れて、寝られるようになった」と喜ばれることがあります。一連の柴胡剤のなかで、一番優しいタイプの漢方薬。自律神経失調の虚弱な方に。
加味逍遙散(かみしょうようさん): 柴胡、山梔子を含みます。
コロナ後遺症重症の方はお控え下さい。
腹診で「胸脇苦満」を大福は確認しています。必須ではありません。
更年期症状のお薬として有名です。イライラしやすい女性のメンタル漢方としてもよく使われますが、もちろん男性にも良いと思います。「逍遥散」という処方に、寒性生薬の「柴胡」「山梔子」を加えた処方です。「加えた」という意味で「加味」がくっついて「加味逍遙散」です。柴胡・山梔子という寒性の生薬が入っているので、多少冷えていても、顔が赤い・体力はある、など基礎代謝がありそうな人に最適です。「逍遥」という言葉のとおり、気持ちを持ち上げてくれます。
加味逍遙散は、イライラしたとき、他人に発散するタイプの方によく効きます。他罰的なひと。
内側にため込むタイプの人は、上記の「柴胡加竜骨牡蛎湯」です。