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漢方薬の飲み方、漢方薬の副作用をご覧ください。医療用漢方の内容量を1として、分類しています。

安全性の高い漢方 

半夏厚朴湯

のどがいつも詰まった感じがして、(つかえた感じを取りたくて、)えへんおほん、している方に最適です。昔は「梅核気(ばいかくき)」と言いました。大福は、外来で2時間半、痛みや辛さを延々訴え続けた患者さんにお付き合いしたことがあります。鬱々として症状を訴え続けたその方は、まさに、この梅核気でした。半夏厚朴湯で一発で治りました。

鬱々としやすい心理傾向の方によく効きます。「気」がうっ滞した人の第一選択薬です。

咳に効く成分も入っているので、老人病院では、「お年寄りにも安全な誤嚥性肺炎の漢方」としてよく処方されます。

1か月以上飲む場合、医師の副作用チェックが必要な漢方

処方例の紹介です。こちらをご覧ください(リンクに飛びます)。

医療用漢方の思ひ出

どの症状にどの漢方薬が効いた、とまでは書けませんが、今まで、大福が用いた気分漢方のエピソードです。

処方1

大福の患者さんで、缶詰工場に働いていた50代の女性がいました。キンキンに冷えた部屋で一生懸命、働いて寒くて夜眠れないんですね。(ヤクルト配達してた母を思い出して、大福はこういう話に弱いです)まずは、茯苓四逆湯という、煎じ薬を使いました。ある程度体が熱をもった状態にしたあと、今度はこの処方1を飲んでもらいました。すると・・・よく眠れた、と喜んでもらえました。

処方2

大福の失敗談。まだ漢方の新米研修医だった頃、とある疾患のコントロールを漢方でしたい、という患者さんが来られました。新米研修医大福は・・・いそいでググって、この処方2を処方しました。まあ、第一選択としては間違ってないんです。でも患者さんはよくならず、しかしググっても、この処方2以外の処方は出てきません・・・すごく忙しくしてる恩師に聞くと、「煎じ薬の●●でしょう」、と「忙しいから自分で調べて」という本音満載の声音でおっしゃるが、患者さんはエキス希望だし・・・その患者さんが来られるたびに、「もう少しよくしたい」という希望にこたえられずに、大福は信頼を失っていきました。半年で、患者さんは通院をやめてしまいました・・・その時、どんな症状でも、使える漢方は3つは選択肢を持ってないと恥ずかしい、と心に誓いました。

処方2は、大福にとって苦い思い出の原点となる漢方だというお話でした。

処方3

開業医をしていたが、倒産して一家離散・・・妻と連絡が取れない。ある気の毒なおじさん外科医のお話。勤務医として働かざるをえず。でも、人生に参っている。いっっつも、医師控室でゴロゴロしてる。昔のスゴかったご自分の自慢話のときは元気。「夜眠れない」「悪夢みるんじゃ」と言いながら、ソファでスポーツ新聞。さすがの大福も・・・いえ、年上の医師ですから自制しました。何も言わず、この漢方を出しました。一週間後、目を真ん丸にして、「スゴイな!!この漢方!」はい、悪夢はなくなったようです。その後、どうなったか・・・結局、病院は退職されたので、わかりません。

処方4

私の漢方の恩師の話です。

外来に、「明日自〇するかも・・・」と恩師が思うような、患者さんがいらっしゃったそうです。どうしても心配だったから、「明日も外来にきて、僕と話をしよう」と言って、翌日の来院を無理矢理とりつけ、この処方3を出したそうです。患者さんは翌日、来てくれました。少し、気持ちに余裕が出てきた気がする、とおっしゃられます。私の恩師は、「明日自〇の危機は去ったか?大丈夫そうだ」、と思い、この処方3を2週間分処方。そして2週間後。表情が変わっていて、良さそうな兆しとともに、「この処方でなんかいい気がする」と漢方医が舞い上がって喜ぶ言葉をおっしゃったそうです。

すべてが、この処方3のおかげではないでしょう。支えるご家族や友人がいらっしゃったのだと思います。そして、いつも同じ効果があるわけでもないでしょう。だって、大福は、このような経験がないんです。でも、埋もれさせるには惜しいエピソードなので、書きました。恩師の思い出です。

現代の名医のお話でした。大福もこのレベルまで行きたいです。

大福こもれ話

桂枝茯苓丸や八味地黄丸、「丸」とつくものは、その名の通り丸剤です。古典に作り方が書いてあります。この間、久しぶりに漢方研修を思い出して、「麻子仁丸」を生薬から作りました。さすがに本物の生薬を粉にして蜂蜜でねるので、効果は大。便秘解消。便秘の外来患者さんにもおすそわけ。

麻子仁丸は甘草を含まないので、お年寄りの方に使いやすい漢方です。

皆様、この古典の作り方できちんと作って、丸剤で売っている会社をご存知ですか?

ウチダ和漢薬さんです。ここの八味地黄丸(足腰の冷え、腰痛)や麻子仁丸(便秘)、桂枝茯苓丸(月経のトラブル)はよく効きます。非常に手の込んだ作成過程なので、このうち、麻子仁丸と桂枝茯苓丸は保険が効きません。一度は本物の生薬を。お勧めです。3つとも大きな副作用ありません。

コロナ後遺症重症の方は、桂枝茯苓丸と麻子仁丸はお控えください。

コロナ後遺症重症の方は、八味地黄丸は胃もたれにご注意です。