これから漢方薬を勉強しようと思っている研修医の先生方、もっと知りたい医療従事者の方を対象としています。できるだけ科学的に、かつ、入り口として読んでもらうために、「太陽病、少陽病、陽明病、太陰病・少陰病・厥陰病・陰・陽・虚・実・気・血・水」などの、漢方独特の用語は、なるべく使わないで記述しています。実際に漢方医学を行うには必須の知識ですので、ご興味が出られた方は、是非、下記の成書をご参照ください。
サイト管理者(大福)のお勧めの教科書
(初学者へのお勧め順に記載。下に行くほど難しい)
- はじめての漢方診療十五話 三潴忠道著、医学書院 (大福のバイブル。今でも、よく読み返します。)
- 図解漢方処方のトリセツ 川添和義著、じほう (各ページの「処方のしくみ」の項目に、処方の核となる考えが載っている)
- 漢方294処方生薬解説 根本幸夫監修、じほう (生薬について調べたい時に辞書的に使う。「熱性・温性・涼性・寒性」などの生薬の性質を覚えることも大事。)
- 和漢薬 方意辞典 中村謙介著、緑書房 (いかつい外見の割に、読みやすい。特に「方解」の項目は、処方の目的が分かりやすく書いてあって、非常に有用。いろんな症例が載っているのもgood。大福は、「漢方294処方生薬解説」と「図解漢方処方のトリセツ」と「漢方294処方生薬解説」の本を参照しながら、最終的にはこの本で、一つ一つ、処方の成り立ちと構成生薬を勉強していきました。)
- 生薬単 伊藤美千穂・北山隆監修 原島広至著、NTS (薬学部の学生用。生薬について調べたい時に辞書的に使う。)
- 漢方診療三十年 大塚敬節著、創元社 (名人はどう使っていたか?を勉強する入門書。診断のなかで、名人にも生じる悩みや考え方、失敗談などが赤裸々に描かれており、読み物としても面白い。)
- 漢方学舎 実践編1 下記参照 実践編1, 2ともに研修医の先生に強くお勧め。
- 漢方学舎 実践編2 臨床カンファレンス実体験 大野修嗣編著、源草社 (現代の名医が現代医学に照らし合わせつつ解説。大福のバイブル。友人の漢方医の評判もすごくいい本。)
- 症候による漢方治療の実際 大塚敬節著、南山堂 (名人の実際の治療法が網羅的に記載されている。困ったときに必ず参照する大福のバイブル、かつ、こころの拠り所。)
- 臨床・漢方問答 上下巻 小倉重成著、医道の日本社(名人の実際の治療法が濃く知りたいときに。ちょっと極端なことも書いてあるが、まずは傷寒論の考え方を本気で勉強したいときに。大福は、漢方専門医試験前に、煎じ薬の使い方の勉強目的で読みました。特に「感染症」と「消化器疾患」の章は、とてもよかったです。)
- 漢方一貫堂医学 矢数格著、医道の日本社(名人の実際の治療法が濃く知りたいときに。一貫堂という一つの流派があります。ダイエット漢方として有名な、「防風通聖散」はこの一貫堂の大きな軸となる処方です。むかし、大福は、友人からこの防風通聖散の処方をしょっちゅう頼まれていました。友人の体重減少効果は微々たるものでしたが、一貫堂医学を勉強するいい機会になりました。防風通聖散は本来、ダイエットの目的で作られたものではないことも、この本を読めばよく分かります。)
- 臨床医のための漢方薬概論 稲木一元著、南山堂(各処方の出典について詳しく書いてある。漢方の論文を書くときに非常に有用。恥ずかしながら、古典があまり好きでない大福は、辞書として使う程度です。)
- パートナー生薬学 竹谷孝一・鳥居塚和生著、南江堂(生薬を科学的に調べたい時に参照。)
- 腹証奇覧 稲葉克文礼、和久田寅叔虎著、医道の日本社(このサイトのイラストの一部は、この本から参照してます。絵が楽しい!!)
- 傷寒論解説 大塚敬節著(漢方を勉強し始めた時に一番初めに購入する(させられる?)教科書。勉強会などでは必携。だが、難解。大福も一人では読めなくて、漢方の勉強会で名人の言っていることを沢山メモしました。今でも、本文よりもこのメモを見たくて、この本をたまーに開きます。)
- ※中医臨床のための中薬学 神戸中医学研究会編著(中国での漢方薬の使い方を知りたいときに。)
- ※中医臨床のための方剤学 神戸中医学研究会編著(中国での漢方薬の使い方を知りたいときに。)
- ※中国新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン試行第8版修訂版 https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/clinical_protocols_v8_haien.pdf このガイドラインの17ページ以降に、中国でコロナに使われている漢方薬が沢山載っています。
※のついた本や文書をこのサイトでご紹介する理由は、コロナ漢方は中国での使い方も参照にすべきかな、と思うからです。特に、熱を強烈に冷やす「石膏」は、日本の保険診療で使われる常用量ではとても足りない印象があり、中国人は何g使っているのか、など参照すべき点はあります。