1. 軽めの風邪、発熱38℃前後までのひとに。
普段から虚弱体質。発熱すると顔が赤くなり、汗ばむ。寒気がするが、がたがた震えるほどではない。のどもそれほど痛くない。のどはそんなに乾かない。軽めの風邪をひいたときに。
普段から虚弱体質。発熱すると顔が赤くなり、汗ばむ。寒気がするが、がたがた震えるほどではない。のどもそれほど痛くない。のどはそんなに乾かない。軽めの風邪をひいたようだ、でも、すごく肩がこる!
相乗効果を得られる組み合わせ例1
桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいっとう)~医師処方~
がたがた震える段階は一段落、とにかく体がほてって熱っぽい。なんだか滅茶苦茶のどが渇いて、水をごぶごぶ飲んでしまう。汗もまあまあ出ていて、のども痛い。なかなか解熱しないから、しんどい状態が続いている。
→桂枝湯1袋+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)2分の1袋を混ぜて1回分。
1日何回飲むか?は、医師の指示に従ってください。
相乗効果を得られる組み合わせ例2
桂麻各半湯(けいまかくはんとう)~医師処方~
がたがた震える段階は一段落、とにかく体がほてって熱っぽいけど、あんまりのどは乾かない(上記の「桂枝湯+越婢加朮湯」が合う人との違いはここ)。汗もまあまあ出ていて、のども痛い。なかなか解熱しないから、しんどい状態が続いている。
→桂枝湯1袋+麻黄湯(まおうとう)1袋を混ぜて1回分。
1日何回飲むか?は、医師の指示に従ってください。
2. 38℃を超える発熱、つらい全身症状。インフルエンザやコロナ感染症のひとに。
普段はそんなに虚弱体質ではない。熱がだんだん上がっていく段階にあり、寒気がして、がたがた震える。やけに肩がこって頭痛がして38℃まで発熱する。体温が高いが、汗が出ない!
寒くてがたがた震える。頭痛がして、熱は38-39℃。体はほてるのに、寒気がする。のどが痛くて咳も出る。
相乗効果を得られる組み合わせ例3
大青竜湯(だいせいりゅうとう)~医師処方~
発熱は39度ちかく。寒気や頭痛が、ひどい。首や肩のこりもすごくつらい。顔が真っ赤なのに、汗が全く出なくて、体熱が逃げない。つらくてしようがない、どうしようもなくてうんうんうなってしまう。誰か助けて!!
↓
方法①桂枝湯1袋+麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)1袋を混ぜて1回分。漢方医以外の医師の方へ。こちらをお勧めします。
方法②麻黄湯1袋+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)1袋を混ぜて1回分。この方法は、麻黄が非常に多くなるため、麻黄の適切な使い方に慣れた医師の方のみにお勧めします。
1日何回飲むか?は、医師の指示に従ってください。
3. 解熱せず。高熱状態が続き、ついに食欲不振など胃腸の調子も悪くなったひとに
3.① 普段から体力のあるひとに
相乗効果を得られる組み合わせ例4
柴葛解肌湯(さいかつげきとう)~医師処方~
高熱状態が続き、全身状態は悪く胃腸の調子も落ちて、脱水状態。すごくのどが渇いてどんどん冷水を飲んでしまう。飲んでも、胃のあたりに不快感があり、吐き気や食欲不振がある。一刻も早く解熱してほしい。
→葛根湯1袋+小柴胡湯(しょうさいことう)1袋+桔梗石膏(ききょうせっこう)1袋を混ぜて1回分。
1日何回飲むか?は、その商品の効能書きに従ってください。
3.② 普段から虚弱体質のひとに
相乗効果を得られる組み合わせ例5 ~医師処方~
↑(上記記載)と同じ症状。高熱+胃腸の調子が落ち込んで脱水状態。普段から虚弱体質で、葛根湯は、飲むと頭が痛くなったり胃が痛んだりするが、桂枝湯ならば飲めるタイプの人に。
→柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)1袋+桔梗石膏(ききょうせっこう)1袋を混ぜて1回分。
1日何回飲むか?は、その商品の効能書きに従ってください。
高熱の時、桔梗石膏は切らさないほうがよい。コロナによる高熱で、桔梗石膏を1日12g使用したところ、速やかに解熱したが、桔梗石膏を中断したところ、高熱が再発したとの報告がある※1。
※1 加島雅之,, et al. COVID19に対して漢方薬が重症化抑制に寄与できた可能性を示す2例 日本感染症学会HP新型コロナウイルス感染症症例報告2020.3.31.
豆知識1
石膏は体を冷やし、潤いをもたらす、高熱にうってつけの生薬。中国の新型コロナウイルス診療ガイドライン※2では、重症例に石膏を30-60g煎じて投与、と記載があります。日本人は少な目から開始しますが、本場は大胆な量を使っているようです。
※2 中国新型コロナウイル診療ガイドライン(試行第8版修訂版) 2021.4.14
豆知識2
柴胡桂枝湯は、「桂枝湯+小柴胡湯」の組み合わせです。虚弱体質の胃腸症状や慢性炎症に使う処方です。この「柴胡桂枝湯」や「小柴胡湯」には「柴胡(さいこ)」という、強い抗炎症作用をもつ生薬が含まれています。柴胡は、抗炎症(ステロイド)作用が強く、熱を冷やし、自律神経系を調節する、など、有用性は数えきれません。漢方医学のなかで中心となる存在の生薬です。
4. ご高齢の方や、あまり体力がない虚弱体質のひとに
4.① 冷え冷えして、とにかくしんどい、横になりたいひとに
インフルエンザやコロナにかかったけど、あまり熱は上がらない。なんだか冷え冷えとして、とにかくしんどくて横になりたい!!熱産生ができないほどに代謝が悪い、ないしは、体力がないひと。ウイルス感染のため、体が冷え冷えとする、体を温かくしてひたすら横になっていたい。
4.② 普段から胃腸が弱くて、風邪をひきやすい 桂枝(シナモン)が胃にもたれるひとに
虚弱体質の風邪の初期の第一選択。安全性が高いため、ご高齢の方にも安心して使える。37度代の微熱、軽い寒気や頭痛、倦怠感に。普段から胃腸が弱く、水分を摂ると胃のあたりがぽちゃぽちゃしやすく、脈も細くて触れにくい、少し抑うつ気味のひとによい。
虚弱体質で風邪をひきやすいひとに。熱は続くが、寒気は少しで、軽く鼻炎とのどの痛み。普段から胃腸が弱く、食が細くて胃もたれもしょっちゅう。ちょっと神経質でうつ傾向あり。香蘇散のパワーアップバージョンとして、香蘇散が効かないときの第二の選択肢となる。
4.③ 普段からアレルギー性鼻炎がひどい。コロナやインフルエンザにかかると鼻水が止まらない。
もともとむくみやすくて、鼻水がよく出る虚弱体質。花粉症やアレルギー性鼻炎の人が多い。胃の中がよくポチャッと音がして、消化が悪い感じ。顔色も青白く、手足も冷たい感じ。風邪をひいても、発熱よりは寒々とするタイプ。
注意点: 麻黄が多量になるので、葛根湯や麻黄湯と一緒に飲まない方がいいです。